分岐パラメータ探索の戦略は,次のようにまとめられる.
- 位相平面図より,周期解に対応するPoincaré写像の安定,または
不安定点固定点の近似値を求める.
- 固定点をNewton法で計算する.パラメータを変化させ,固定点が
求められなくなった点(接線分岐),または固有値が分岐の条件
(周期倍分岐,Neimark-Sacker 分岐)を満たす近似値を求める.
- 2.の近似値をもとに,分岐パラメータを計算する.
このストラテジに対して,計算機プログラムも普通3 つ用意される.
ところで,前述のように,接線分岐では,
固定点追跡に用いたJacobi行列がsingularになり,分岐点の
精密な近似解を与えることができない.そこで次の原則を採用する.
つまり,singularな点にできるだけ近い点のデータを与え,後は
式(44)のアルゴリズムにsingularな点の精密な
近似解の計算をゆだねる
とよい.
これらのプログラムを用いて最終的に,周期解の分岐パラメータ曲線を
得ることができ,それから問題の系の性質を説明することができよう.
分岐曲線を二次元的に追うときは,次の手順をとる.
- 一方のパラメータは,変分方程式を解く専用とする.
- 他方のパラメータは,固定値から
スタートし,分岐点が求まれば,次の分岐点のために細かい刻みで
ユーザが変化させる.
ここでユーザが変化させるパラメータの変化後における分岐点は,それまでに求めた
分岐点から外挿するとよいであろう.
- 分岐曲線が二次元的に大きくカーブを
描いているときは変分方程式に渡すパラメータを交換する.
これはパラメータ平面上の分岐曲線の傾きを測定し,自動的に変数交換を
おこなうようプログラムで工夫する.
もちろん,変分方程式に渡すパラメータに制限はないので,任意の2変数について
パラメータ平面図をもとめることができる.そのときは,個々のパラメータについて
変分方程式を求めておく.
User &
2017-09-07