実験の目的

数学は言語である.ものごとの関係を記述するのに数学ほどコンパクトで 情報量が多く,また便利なものはない. しかし,対象の関係がシンプルな方程式で記述できたとしても, それを解くことはまた別のやっかいな問題である.

物理現象や幾何学的解釈から,しばしば非線形な方程式がモデル 方程式として見出される:

\begin{displaymath}
\bm{f}(\bm{x})={\bf0}, \quad \bm{x}, \bm{f} \in \bm{R}^n
\end{displaymath} (1)

この式の核(kernel)が解析的に求められることはもちろん望ましいが, 写像 $\bm{f}$ が非線形関数である場合には,ほぼそれは絶望である. しかし,工学的な立場に立つと, 解析解は必ずしも必要ではないことが多く, それどころか,十分精度の高い近似解が数値的に求まれば, それが実用であることの方が圧倒的である.

非線形方程式の数値解法としては,基本的なものに,二分法,Newton 法などがあり, 古くから実用に供されてきた.ともにモデル方程式の値(式(1)の 右辺)が安価に求められる計算機においては有効な方法である. 本実験では,まずは式(1)において,$n=1$ の場合を検討し, さらに$n$次元の連立非線形方程式について解法を学ぶ.



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