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前置きが長くなりましたが,ここで以下の提言をしたいと思います.
一年の夏からこの技術力がいきなりは養われません.
以下に提言することがらを心がけて,技術力を身に付ける
素地を養っておくことが重要だと思います.
- 考えよう.創造力を豊かにしよう.思考は停止させてはならない.
常に「どうしたら解決できるだろう」「こうしたらどうなるんだろう?」
ということを常々考えよう.もちろん,すぐに答えは見付からないから
関連して「他の図書をあたる」とか「友達に聞く」という行動を起こさねば
ならないだろう.この課程が重要である.
勉強以外の多くのことにも,ひたすら思いをめぐらすクセをつけよう.
(でも車の運転中には,安全に気を付けて考えてネ)
- 仲間と十分コミュニケーションを取ること.その経験が
必ず仕事に役に立つし,人生も豊かにする.自分の殻に閉じ籠ってはいけない.
おしゃべりが好きなことはいいことである.さらに,
あわよくば,自己主張をうまく口頭で展開できるように,雄弁に語れる
ようにしておきたい.
将来就職したら必ずチームで仕事に当たる.人と接さないような仕事
などない.TVゲームとのコミュニケーションなどできなくても
何も咎められはしない.
- 自分に自信を持つこと.専門家と普通の人の差は,結局その
ことがらに対する経験時間の差である.幸い情報科学・工学の多くは
コンピュータを必要とするし,コンピュータの技術は(コストのかからない,
何度も繰り返すことのできる)実験によって容易に習得できる.
(その習得時間は個人差はあるだろうが).
専門家としての自信・自覚は,経験で裏打ちされる.
また,コンピュータを使いこなす能力の伸び具合は,
その使用時間と明らかに比例する.
専門家と呼ばれる自信のない人は,ゆらぎない自信が湧くまで多くの時間を
使ってコンピュータと戯れればよい.
コンピュータに慣れ親しむこと!ただし,
コンピュータを扱うこと,プログラムが組めることが情報科学・工学の
全てではない.だが,少なくとも「コンピュータ嫌い」の人が
この学科を卒業することは困難だし,企業も「コンピュータ嫌い」の
「知能情報工学専攻」の人を採用するハズがない.
現時点で「嫌い」な人はその理由を自分なりに分析し,克服するにはどうしたら
よいかを「考えよ」
- 創造者としてのプライドを持とう.レポートはみなさんの
「著作」である.つまり「著作権」が存在する.
レポートは「自分の言葉」で書く.
他人のレポートは写さないのはもちろんのこと,
参考書を見て書く時も,自分なりの理解を交えて文章を
創作せよ.(ただし,実験結果を「創作」してはならない.事実のみ
報告すること).他人様の(copyrightのついた)文章を,自分の名前つけて提出
するなどのプライドの低いことはしてはいけない.
- 講義のノートは自分で作成せよ.テスト前に他人のノートをコピーして
どうなるものでもない.(でもテスト前に他人に貸してやれるぐらい
整理されたノートであってほしい)
さらにノートの内容を友達にレクチャーしてみよう.
他人への説明するためには,一層深い内容の理解が要求される.
理解していたつもりの部分は,実はできていないことが明確になることもあるし,
説明しているうちに「あぁそういうことだったのか」と気づくことも多々ある.
- 公式を暗記するのではなく,その公式が登場するまでの理屈,
話の筋を理解しよう.ただ教科書に書いてあることを目で追うだけでは
眠たいだけである.著者が読者に伝えようとしている話の「筋」を
発見することに集中しよう
- 時には記憶する訓練も必要だ.分からないことも,とりあえずその場は
理解したことにして記憶し,先のことがらを読んだり,
実験したりすることも有効である.
以上の意識改革だけで,かなり前向きになれると思います.
大学生活4年間ですっかりフヌケに成り下がる前に,今一度
大学に進学した動機と,将来に対しどう自分は期待しているかを
考えましょう.
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