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明石海峡大橋を淡路島側から入り, 橋上から眺めたときにいつも見渡す神戸市垂水区から大阪方面に向かう この数十キロ海岸線は, 徳島県の全世帯が軒を並べても埋め尽くせないんだろうなと想像して ニヤっとしてしまう.
ウィキペディアはご存知であろう. 朝鮮民主主義人民共和国のページの中頃に, 夜中の極東の衛星画像を見つけることができる. 本来はいかに北朝鮮に照明設備が無いかを示すものであるが, 確かに,対照的に日本や台湾は,海岸線の灯りがエッジとなって, 国土の輪郭をはっきりと浮かび上がらせている.
ところがである.四国は四国の形状をしていないのだ. 徳島県南と高知県境(室戸国定公園付近)はすっかりとそのエッジが抜け, よって,四国の輪郭は閉曲線を成していない.あと,那智勝浦付近や島根, 鳥取など,やはりマイナーな地域にそういうエッジの切れをみることができる.
徳島県知事がこの画像を見ればある種の衝撃を受けるだろうが, 私的にはいよいよ満悦に至る.イメージするのはとっぷりと暮れた国道55号線 宍喰付近.車のライトを消せば完全な漆黒の世界. 星は降り注ぐように瞬いていることであろう. 曇天なら昼間だろうかと思わんばかりの, 数メートル離れた人物の顔もはっきり視認できるような明るいの海岸線で, 波の音と時々聞こえる車の往来の音のなか,とぼとぼと歩いている自分. ああ,まさに得難い.
徳島,高知はその鄙びようがいいのだ.人が居なくて結構.