Et cetera, Workshop
河原 寛治, 50, 谷岡 広樹, 上田 哲史, 殖栗 正登, NPBとMLBにおける打者の抑え方の比較, -データに基づく投球戦術の分析-情報処理学会, 情報処理学会研究報告, Vol.2024-SI-1, No.36, pp.1-2, 東京, June 2024.
Abstract: 野球はスコアを競うスポーツであり,その結果は投手の能力に大きく左右される.投手が打者に打たれなければ,試合に負けることはない.しかしながら,1 人の投手が全試合に登板することはできず,中 4 日なら少なくともチームごとに 5 名の先発投手が必要となる.近年,NPB (Nippon Professional Baseball) で活躍した投手が MLB (Major League Baseball) へ移籍するケースが増加してきた背景としては,このような事情があると考えられる.そのような状況で,NPB で活躍した投手が MLB でも活躍するケースが増加している.一方,NPB で活躍していた投手が,MLB では活躍できていないケースもあることが,過去のインタビューや分析から明らかになってきた.NPB と MLB では投球戦略やプレースタイルに違いが影響しているという.そこで本研究では,NPB と MLB における打者の抑え方の違いを明らかにすることを目的とし,NPB と MLB のそれぞれの対戦成績ついて,球速などの投球内容と,その結果である被打と失点との関係について,Spearman の順位相関で相関分析で分析した結果,NPB も MLB でも共通して,1 打席の球数や前の球との縦座標の差の最小値と被打,塁にランナーがいることと失点の相関が高いことが分かった.また,NPB ではストライクゾーンに投げた割合と被打との間に正の相関がみられたが,MLB ではストライクのカウント数と被打との間に負の相関がみられた.