Academic Paper
上田 哲史, 吉永 哲哉, 川上 博, 陳 関栄, 高次元自律系におけるNeimark-Sacker分岐の一計算法, 電子情報通信学会, 電子情報通信学会論文誌(A), Vol.J83-A, No.10, 1141-1147, Oct. 2000.
Abstract: 自律系にみられるリミットサイクルにおいて, パラメータの変化により特性乗数が複素単位円を横切る場合, Neimark-Sacker 分岐を生じる.本論文ではこの分岐パラメータ値を 求める新しい計算方法を提案する. 固定点条件,ポアンカレ 断面条件に加えて, 共役複素数の特性乗数を代入した特性方程式を 実部と虚部に分離し,それぞれを独立した条件として採用する. これら条件式を連立させ,ニュートン法により解く. 新たな独立変数として,共役複素な特性乗数の偏角を用いた. ニュートン法のヤコビ行列の各要素は,複素数演算, 数値微分を用いることなく,変分方程式の解と行列操作によって 求めることができるため,ニュートン法の収束性もよい. 例として8次元自律系のリミットサイクルのNeimark-Sacker分岐の 計算結果を挙げる.